2025/05/01

Taiwan Today

政治

大法官解釈、パパラッチ処罰は合憲

2011/08/04
司法院大法官会議は7月29日、「パパラッチ行為憲法解釈」の結果を発表。「正当な理由無く人をつけまわす行為は処罰する」とした社会秩序維持法の規定は「違憲にあらず」と判断した。写真は林錦芳・司法院秘書長。(中央社)
報道の自由と有名人のプライバシーに関わり、「パパラッチ行為憲法解釈」と呼ばれた大法官第689号憲法解釈の結果が7月29日に発表された。大法官は、社会秩序維護(維持)法第89条第二款の、「正当な理由無く他人をつけまわし、制止しても聞かない者は3000台湾元以下の罰金もしくは戒告処分とする」との規定は憲法違反ではないと判断した。また、この解釈はパパラッチ行為と、記者の合理的な追跡ならびに取材行為との違いを明確にするものだとしている。 大法官は、新聞記者が取材しようとする事柄が、①特定事件の報道として一定の公益性を持つと認めるに足る事実のあるもの、②大衆が関心を寄せるもの、③ニュースとしての価値を有するものであり、さらに④記者の追跡行為が社会通念上許される範囲のものならば、正当な理由があると認めて処罰の対象にはならないと説明。 この憲法解釈は、いわゆる「パパラッチ行為」が原因で社会秩序維持法による罰金処分を受けた報道記者が請求した初のケースである他、報道の自由が憲法によって保障されることを明確にした最初の例となった。この解釈はまた、報道の自由が守られる範囲を報道機関の記者から一般人にまで広げている。ニュースとして価値のある情報を大衆に伝えるため、もしくは公共の議論を促すための取材は保障されるとの判断である。 同解釈では、社会秩序維持法の規定は人の自由な行動の権利、心身に危害を加えられない権利(身体権)、公共の場で自由が妨げられないことを合理的に期待できる権利、及び個人データの自主権を保護しようとするもので、公共の場であってもこれらの権利は保障されるとしている。また、法律は公共の場において、人が他人の継続的な注視、監視や聴取、接近を受けなくてすむ権利を守るとし、社会生活においては合理的な範囲で互いが容認すべきで、容認可能な範囲を超えなければ制限する必要はないと主張した。 大法官は、憲法が保障する個人の自由と報道取材の自由はいずれも絶対的なものではなく、法律と委任命令によって制限を加えられるとしている。

ランキング

新着